減価償却【げんかしょうきゃく】

使用や時間の経過につれて、経済的な価値(将来収益を生み出すことのできる力)が減少していくような機械や建物の有形固定資産について、それを使用する期間(耐用年数)にわたって徐々に費用としていくこと。例えば、鉄道会社が新車輌購入などの設備投資を行った場合、車輌購入費を新車輌で営業を始めたときに一括して費用にしてしまうと、その期の業績が大幅に悪くなり、その後は車輌購入の費用がなくなるため、利益が多めに出てしまう。しかし、同じ車輌を毎年使っているのであれば、会社の実態をより正確に表すという観点からは、その購入費を操業を始めた年にすべて費用とし、それ以降の年にはまったく費用がかからないとするのは好ましくない。従って、この車輌購入費を「車輌を使う期間にわたって徐々に費用にしていく」こと、すなわち減価償却が求められる。
減価償却のルールに基づいた、資産の減少分が減価償却であり、取得原価から徐々に差し引かれていく。減価償却が終了した時点では、最終的な使用後の価値である残存価額(減価償却が終了した時点での、その資産の見積額)が残る。ただし、有形固定資産であっても、その使用価値が減少しないと考えられる土地等は、減価償却の対象とはならない。
なお、減価償却は有形固定資産と無形固定資産について適用され、設備投資(有形固定資産)の取得原価を配分する方法のことを減価償却、無形固定資産の原価を配分する方法のことを償却という。その方法としては、減価償却額が最初多くて徐々に少なくなっていく定率法と、その資産を使用している各期間が同じ金額となる定額法、生産量や活動量に応じて減価償却が増減する生産高比例法がある。
減価償却費を見る際に重要なのは、この費用は現金の支出を伴わない費用であるため、減価償却が非常に多く利益が少ない会社であっても、実際のキャッシュ・フローは潤沢であるかもしれないという点である。その費用分の現金が会社の内部に留保されたという意味で、投資資本の回収と考え、自己金融効果と言われている。